バンコク滞在中気になっていたのは、なぜかTrueMoveの網にエントリーできなくなる症状に見舞われた事です。タイはAISやDTACなど他事業者もありますので実害は少ないのですが、ConexusアライアンスメンバーであるTrueMove網でデータ通信を行うと割引サービスを受けることができます。
https://www.mydocomo.com/dcm/dfw/w_wing/fr/p/area/areainfo.asp
公式に圏外など不具合を確認しているようで、どうやらTrueMoveの網に問題ありそうです。
一方、SoftBankはTrueMoveのWCDMA網をしっかり掴んでおり、HSDPA通信も可能でした・・・。
画像はBlackBerryをTrueMove固定にManual設定したため、SOS(ローミング不可だが緊急発呼のみ可)となっていますが、Automatic設定なら他事業者へ遷移します。
原因のひとつに、TrueMoveはバンコク市内でWCDMA850MHz網を構築中であり、かつ一部事業者へはローミングも許容しています。
3G/GSMのデュアルバンド端末の場合、基本的に3G網を優先してサーチするようにプログラムが組まれており、TrueMoveのようにWCDMAとGSM双方のネットワークを運用している場合はWCDMA網へエントリーするような挙動をとります。しかし、ネットワーク側でWCDMA網へのアクセスを拒否した場合、GSM網へフォールバックさせるシーケンスを流します。
しかし、このマネジメントが上手くいかない場合はGSM網へエントリーできず圏外張り付き現象が発生するケースがあります。これは、TrueMoveに限らず、フランスのOrangeや台湾のFETなどの網で経験したことがありますが、困った問題です。
捕捉モードを「GSMのみ」に設定すれば回避できる場合もありますが、一般の利用者にはなかなか難易度が高いと思います。
最良の策は、TrueMoveがドコモの契約者にも3Gローミングを許容するようにすれば、解決するのですが。Conexusアライアンスメンバー同士でもあり、善処を期待したいところです。
因みに、ローミングの安定性に関していうと、経験値からドコモはやや劣る傾向があります。今回のような挙動は過去何度も体験していますし、場所にもよりますが一国あたりのローミングキャリアの数がSoftBankやCSLに比べて少ない事が多いのが災いしているように感じます。ローミングは非常にデリケートなサービスであり、途上国や新興工業国に日本と同じような水準のネットワークマネジメントを望むのも無理がありますから危機管理の点からも、できる限り多くのパートナーとローミング契約を結んでいるべきです。
SoftBankはVodafone時代から、ローミングの安定性やパートナーの数はドコモを凌駕しています。国内では品質やサービス提供の施策などの問題が多発しているSoftBankですが、国際ローミングの品質では、まだまだ他社の追随を許さぬ状況なのかもしれません。もっとも、SoftBankは全般にローミング料が高く、無料通話分の適用も不可能なのでなかなか気軽に利用できるとは言いがたいのが残念なところですが。